寺院の修繕

ここでは主に寺院仏具のお洗濯をご紹介します。
過去の施工例ですが、種類が多いためいくつかに分けて載せました。
真鍮仏具や金具を合わせれば全てではありませんが、掲載されているほとんどの修繕は私どもの手で行いました。
修繕の家庭も載せていますので、ご興味のある方はご覧ください。

本堂の修繕

寺院に使用される大きな部品一つ一つを丁寧に修繕致します。

仏具のお直し

色の塗り分けや細かな箇所も抜かりはありません。 長持ちする素材と技法で丁寧にご対応致します。

本堂の清掃

本堂のホコリを払い磨き美しく仕上げます。 仏壇職人が手がけますので金箔の部分や漆の箇所も安心です。


須弥壇(しゅみだん)

修繕前

漆も金箔もツヤを失っています。

高欄の金具は全て本金メッキし直します。

下地が薄いため、経年で漆が痩せて木肌が見えそうです。

全て解体し、木地から補修します。


過程

傷みを確認しながらお湯洗い。

経年で傷んだ本体を補強します。

膠(にかわ)のバリも綺麗に落とします。

凹凸を確認、サビ止めをして研ぎます。

黒と朱を塗り上げました。

金箔を貼り終えました。

本金メッキ仕上げです。

天板には亀裂が走っています。

束を立てて中央が沈まないようにします。

「研いでは塗る」を繰り返します。 もちろん手作業ですので、根気が必要です。

 

中塗り作業中、複雑な形状です。

滑らかにするため、漆をこします。

段差もきめ細かく仕上がっています。

それぞれの部品も仕上げていきます。

厚めの部材で補強します。

新しい本堂に納まるように柱の内方の分だけ削って調整します。

研ぎあげると肌が滑らかになります。

最後に朱を塗り上げます。

肝心の正面です。

正面に金具を打ちました。

全ての金具を打ち、仕上げます。


修繕後

煌びやかで美しい須弥壇です。 良い素材を使用し、新品の時よりも美しくなったと自負しております。

彫りも細部に至るまで滑らかに仕上がりました。

本空殿(ほんくうでん)

修繕前

漆、金箔、金具がくすんでしまっています。

順番を確認しながら全て解体します。

写真では分かりませんが、予想以上に凹凸が目立ちます。

全て解体し研ぎ直し、完全なお洗濯をします。
金具も全て本金メッキし直します。

細かい部品を見るだけで先が長いと痛感します。

金具の数だけでもとても多いです。


過程

まずはお湯洗いです。 この時点で大まかな傷や凹みを確認します。

裏側も激しく傷んでいます。

水研ぎで滑らかに。

細かい部分も綺麗に掃除します。

少し完成が見えてきました。

乾燥後、最初の研ぎ作業です。

繰り返すことで滑らかになります。

時間もかかり、根気のいる作業です。

大量の金箔を必要とします。

全ての部品を組み上げ、仕上げに金具を打ちます。 とても長い道のりでした。

塗ってはパテを繰り返します。

最初よりずいぶん綺麗になりました。

ギボシに金箔を貼っています。

金沢産の1号色を惜しげもなく使います。

高欄も生まれ変わりました。


修繕後

完成しました。 設置も大人数で行い、とても苦労しました。

ご期待以上の出来映えになったつもりです。 黒がハッキリすると金が引き立ち、その逆も然り。

相乗効果でとても美しく仕上がりました。

登高座(とうこうざ)

修繕前

色が褪せ、金箔も擦れています。

木地の割れが始まっています。

近くで見ると傷みがよく分かります。

木地から入念に修復作業をしなければなりません。

金具の傷みも目立ちます。

金具の劣化も激しいので全て本金メッキし直します。

全て研ぎ直し、塗り替えから施します。

下地が薄いため剥離しています。 全て剥がして研ぎだします。


過程

平らであるべき個所を平らに直します。

純金箔は扱いが難しいです。

研いでは塗るを繰り返し金箔貼り。

反射してはっきりと映ります。

1号色は輝きが違います。

上板も張り替え、生まれ変わりました。


修繕後

畳も張り替え美しく仕上がりました。

新築の本堂にふさわしい仕上がりです。

脇壇・余間壇(わきだん・よまだん)

本堂解体前の脇壇。 デザインを含め一新させます。

余間壇は脇壇とは違ったデザインにします。


過程

デザインを一新し、オリジナルの型から製作しました。他には無い唯一無二の形になりました。

修繕後

オリジナルの唐草です。 とても手間と時間がかかりましたが、満足していただけました。

菱組みも美しく仕上がりました。 苦労した甲斐がありました。

想像以上に上手くまとまりました。 感慨深いです

骨太で当社らしい菱組みです。